学校のトイレ
きれいだョ
(読売新聞より)

明るく快適、くつろげる

 子供の意見を採用
 ●改修各地で

 小、中学校のトイレを改修する動きが活発になってきた。改修にあたって子供たちの意見を聞くのはもちろん、独自に改修マニュアルをつくった自治体もある。家庭のトイレや公衆トイレが明るくきれいなものにイメージを一新した今、学校のトイレも子供たちの大切な生活空間として、親しまれる場所へ変わり始めたようだ。

 神奈川県横須賀市は98年度から市内の全小中学校(74校)のトイレ改修工事計画をスタートさせた。毎年数校ずつ7年間で改修する計画。子供たちに事前にアンケートをとったり、ドアや便器の色を子供たちに決めさせたりと、子供たちと共につくっていこうという姿勢が大きな特徴だ。
 例えば、98年度に完成した馬堀小学校のトイレは明るい色のカウンターと大きな鏡トイレをより明るく演出する。また花や工作の飾れるカウンターもあり、会話のはずむ場所となっている。
 同市都市部営繕課長の高田利男さんは「改修を終えた学校では、子供たちの間で、自分たちがつくったトイレという意識が芽生え、自主的に花を飾ったり自分たちの作品を展示したりと、それまでにはなかった効果が現れている」と話す。

 ★自治体がマニュアル

 東京・世田谷区は今年3月、学校トイレの改修マニュアルを作成した。自治体がこのようなマニュアルを作成するのは珍しい。
 同区でも99年度から学校トイレの計画的な改修工事を始めており、初年度は3校で実施した。
 マニュアルは、この改修の過程で検討された内容や子供たちへのアンケート結果などを基に、今後のトイレ改修の指針としてもらおうとまとめられた。
 改修トイレに「満足している」とこたえた子供たちにその理由を聞いたところ、「きれい」「明るい」のほか、「自分たちで選んだ色だから」「荷物が置けるから」「鏡がいっぱいある」などを挙げた子供たちも多かった。
 マニュアルには学校のトイレの歴史、生活環境の変化、生徒の体格の変化なども盛り込んでいる。
 このほか金沢市の「さわやかトイレづくり事業」、京都市の「快適トイレ整備事業」など、学校トイレの整備に取り組み始めた自治体は最近、各地で相次いでいる。神奈川県では県議らが中心となって県内学校トイレ整備推進議員連盟(略称・神ト連)が発足、7月8日に横浜市内で設立総会も開かれた。
 日本トイレ協会(東京)事務局長の上幸雄さんは「子供たちにとって学校は多くの時間を過ごす生活の場。トイレの快適性は子供たちの健康面や生活面に密接にかかわっており、各地で学校のトイレ整備が始まったのは当然の流れ」と指摘する。
 さらに文部省が98年度の補正予算から学校トイレの改築に関する補助制度を充実させたことも引き金になっているという。
 今月5日、6日には横須賀市で、同市と日本トイレ協会共催の「学校トイレフォーラムINよこすか」が開かれる。各地の自治体、学校関係者、一般市民がこれからの学校トイレをテーマに討論する。問い合わせは同協会(03-3580-7487)。

 読売新聞 2000年(平成12年)9月2日(土曜日)朝刊より転載。

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